〜白南風呼ぶ歌声編〜


☆☆☆☆  ×5
『後宮からの誘拐』アーノンクール/チューリヒ歌劇場モーツァルト管弦楽団(テルデック 1985)
『フィガロの結婚』アバド/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(ドイツ・グラモフォン 1994)
『ドン・ジョヴァンニ』ハーディング/グスタフ・マーラー室内管弦楽団(ヴァージン 1999)
『コジ・ファン・トゥッテ』ラトル/ジ・エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団(東芝EMI 1996)
『魔笛』ガーディナー/イングリッシュ・バロック・ソロイスツ(アルヒーフ 1996)

モーツァルトの5大オペラを一気に♪ My favorite現役指揮者5人による、まさに夢の超豪華ラインナップ! 「オペラは眠くなっちゃってどうも…」ってな人に打って付けです♪ 『後宮〜』はひとまず打楽器に注目!! 『フィガロ』は…非の打ち所ありません。 『DJ』は、冒頭のAndanteからハーディング節炸裂です…鮮やか!! 『コジ』、最高に輝かしい演奏です…これぞ古楽器オケの真骨頂!! 『魔笛』は、そのあまりの快速のためCD2枚で収まってしまってます…しかし上手い!! これら5組、いずれも作品の素晴らしさを再認識させてくれると同時に、常に新しい発見と隣り合わせで進行していきます。さらに、いずれも音楽が驚くほど流暢で躍動感に溢れまくっているのにも関わらず、不思議なことにちっとも歌唱や詩を殺しちゃってはいないのです。この絶妙のバランスが、いつも筆者の三半規管と小脳を唸らせます。うぅ〜…


☆☆☆
『武満徹・レクイエム』
小澤征爾/サイトウ・キネン・オーケストラ(フィリップス 1996)

ある意味…この際…『ノヴェンバー・ステップス』や『弦楽のためのレクイエム』はどうでもよい(武満先生ごめんなさい)。『系図ー若い人たちのための音楽詩』は、僕が過去に涙した2つの武満楽曲のうちの1つです(ちなみにもう1曲は『○(マル)と△(三角)の歌』・笑)。あまりに切なすぎる谷川俊太郎の詩が音楽に素晴らしくマッチして…(涙)。曲題の通り、特に若い人たちに聴いていただきたい楽曲。


☆☆☆☆
スティーヴ・ライヒ:『ザ・ケイヴ』 
ザ・スティーヴ・ライヒ・アンサンブル(ワーナー 1995)

厳しい残暑の中、自己浄化のために欠かせない一枚か?!とにかくこの『ケイヴ』は、ライヒのみならずミニマル音楽の集大成と言っても過言ではなかろう。僕はミニマルが好きなのかなぁ…好きかも。ふー・いず・えいぶらはむ♪


☆☆☆
『大きな古時計』
平井堅(MAXI 2002)

僕は個人的にこの童謡が大好きで、恐らく生まれて初めて音楽で涙したのがこの『大きな古時計』である(当時小2)。まさか平井堅(巷では大阪出身とされるが、実は三重県名張市育ち)が唄ってくれるとは思わなかった。内容については、ここではとやかく言うまい。とにかく久しぶりにこの歌が聴けてよかった。20回くらい連続でリピート再生してしまった。Ticktack Ticktack♪


☆☆☆
モンテヴェルディ:『オルフェオ』ガーディナー/イングリッシュ・バロック・ソロイスツ(アルヒーフ 1985)

このコラムでは、作品の響きと演奏の秀逸さを常に公平に扱っているつもりである。現代楽壇の論評はどうしても後者に重きを置きがちであるが故に、私は原点に戻って、我々の鼓膜と脳味噌が感知する純粋な「サウンド」としての楽曲を考えてみたいと思うからだ。こうして書いていると、いわゆる「クラシック音楽」という枠組みで、我々がどれほど大きな害を被っているかを痛感する…。「クラシック」を中心に扱っているのも実はそれに対するアンチテーゼで、その俗に言う「クラシック」の範疇のみで、如何に多彩なサウンドが繰り広げられているかをより多く周知していただきたいからなのだ。
さて、モンテヴェルディ最初のオペラにして西洋音楽史上に輝く金字塔、『オルフェオ』。雄壮なトランペットのファンファーレ(トッカータ)に続くプロローグの弦楽器によるメランコリックなテーマを耳にするとき、やはり時代や類型を超越した境地に我々はいざなわれよう…。



かなりあ編


Yes. Tomorrow is another day...