My あーかいぶす diary

〜二人でお茶を〜


   2002〜真夏の夜の風鈴編〜
   2003〜梅雨空の金糸雀編〜



  ひっさびさの新コーナーです。過去いろんな人に何度も『オススメのクラシックCDありますか?』みたいな途方に暮れそうなこと訊かれてたんで、いつかこーいうのやりたいなぁと思ってたってのが一応の経緯であります。ここでは、とりあえず筆者の1000余枚の蔵CDの中から、これぞというスグレモノを着の身着のままに紹介していきたいと思います。とはいっても、その辺の『オントモ』や『レコゲー』に載ってるような歴史的名演とか名盤シリーズみたいなのになっちゃったら至極つまらないんで、その辺はかなりラディカルなものになっています…ご了承のほどを。そして、万が一最終的にネタが尽きたらDVDやら小説やらへと脱線するかもしれませんが、その辺はご愛敬;
  あ。
の数でオススメ度を表してみました。



"Today is the first day of the rest of your life."


   
   〜真夏の夜の風鈴編〜


8/1/02 ☆☆☆

フィリップ・グラス『ヴァイオリン協奏曲』他 
ギドン・クレーメル(Vn.) ドホナーニ/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(ドイツ・グラモフォン 1993)

  夏の蒸し暑ぅ〜い日にこれ聴くと、不快指数がみるみる下がっちゃう?!…てな具合で、とにかく爽快のひとことです。何気に演奏すごすぎ。奇才クレーメルのヴァイオリンと、幻の不具合コンビ(ドホナーニ&VPO)のミニマル・サウンドに敬礼。ちなみにこの曲の実演をクレーメルで聴けた筆者は、きっと幸せ者に違いない。カップリングのシュニトケはお好みでどうぞ。清涼飲料水代わりの一枚




8/2/02 ☆☆☆☆☆

『二人でお茶を』ショスタコーヴィチ:ジャズ音楽集 
ロナルド・ブラウティガム(Pf.) ペーター・マーズ(Tp.) シャイー/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(ロンドン・デッカ 1993)

  ショスタコーヴィチのジャズ組曲1番&2番、ピアノ協奏曲第1番、タヒチ・タロット(二人でお茶を)というコンテンツ。特にジャズクミ2が良い!!実はキューブリックの遺作、『アイズ・ワイド・シャット』のクレジットで有名になった楽曲。暗幕を降ろし蝋燭を灯して…あとは耳を傾けるのみ。ワルツに酔え♪




8/4/02 ☆☆☆☆

『パヴァーヌ』フランス管弦楽名曲集 
オルフェウス管弦楽団(ドイツ・グラモフォン 1995)

  ラヴェルの『クープランの墓』、ドビュッシー編曲のサティ『ジムノペディ』、フォーレの『パヴァーヌ』や『マスクとベルガマスク』組曲など、まさしく宝石箱の選曲。オルフェウス党の筆者として、ぜひオススメしたい一枚。指揮者を用いないオケならではの、洗練された音づくりがここにあるように思う。オケの透明度が堪らなく心地良い。これも真夏の涼みとしてぜひとも♪



8/5/02 ☆☆☆☆

シベリウス:交響曲全集 
ベルグルンド/ヨーロッパ室内管弦楽団(フィンランディア 1998)

  ベルグルンド,パーヴォ 【音】 左手にタクトを持つ絶滅危惧種の一人。自身シベリウス研究家であり、ハンセン版の総譜校訂に携わっている。(木村)
  3つある全集のうちこれは最も新しいものだが、なによりそのクリアーなサウンド!!…素晴らしい。恐らくマニアはヘルシンキ・フィルとの旧全集を薦めるのだろうが、オケのバランス・色彩感・透明感・洗練度+使用楽譜・演奏技術・録音音質etc.をとって、ここではこの新盤をオススメする。中でも個人的にDISK3の第6&4番を猛烈に推したい。必聴♪



8/7/02 ☆☆☆☆  ×5

『後宮からの誘拐』 
アーノンクール/チューリヒ歌劇場モーツァルト管弦楽団(テルデック 1985)
『フィガロの結婚』 アバド/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(ドイツ・グラモフォン 1994)
『ドン・ジョヴァンニ』 ハーディング/グスタフ・マーラー室内管弦楽団(ヴァージン 1999)
『コジ・ファン・トゥッテ』 ラトル/ジ・エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団(東芝EMI 1996)
『魔笛』 ガーディナー/イングリッシュ・バロック・ソロイスツ(アルヒーフ 1996)

  モーツァルトの5大オペラを一気に♪ My favorite現役指揮者5人による、まさに夢の超豪華ラインナップ! 「オペラは眠くなっちゃってどうも…」ってな人に打って付けです♪ 『後宮〜』はひとまず打楽器に注目!! 『フィガロ』は…非の打ち所ありません。 『DJ』は、冒頭のAndanteからハーディング節炸裂です…鮮やか!! 『コジ』、最高に輝かしい演奏です…これぞ古楽器オケの真骨頂!! 『魔笛』は、そのあまりの快速のためCD2枚で収まってしまってます…しかし上手い!! これら5組、いずれも作品の素晴らしさを再認識させてくれると同時に、常に新しい発見と隣り合わせで進行していきます。さらに、いずれも音楽が驚くほど流暢で躍動感に溢れまくっているのにも関わらず、不思議なことにちっとも歌唱や詩を殺しちゃってはいないのです。この絶妙のバランスが、いつも筆者の三半規管と小脳を唸らせます。うぅ〜…



8/12/02 ☆☆☆

『武満徹・レクイエム』 
小澤征爾/サイトウ・キネン・オーケストラ(フィリップス 1996)

  ある意味…この際…『ノヴェンバー・ステップス』や『弦楽のためのレクイエム』はどうでもよい(武満先生ごめんなさい)。『系図ー若い人たちのための音楽詩』は、僕が過去に涙した2つの武満楽曲のうちの1つです(ちなみにもう1曲は『○(マル)と△(三角)の歌』・笑)。あまりに切なすぎる谷川俊太郎の詩が音楽に素晴らしくマッチして…(涙)。曲題の通り、特に若い人たちに聴いていただきたい楽曲。



8/13/02 ☆☆☆☆☆

ストラヴィンスキー:『春の祭典』他 
レヴァイン/メトロポリタン歌劇場管弦楽団(ドイツ・グラモフォン 1993)
ストラヴィンスキー:交響詩『うぐいすの歌』他 ブーレーズ/クリーヴランド管弦楽団(ドイツ・グラモフォン 2001)


  DGレーベルのストラヴィンスキーを2枚続けて。僕の10数枚のハルサイCDの中で、マルケヴィッチ盤やブーレーズ盤と比しても遜色ない輝きを誇るのが、このレヴァイン盤です。とにかく全曲を通して迫力に満ちまくってます。カップリングが『展覧会の絵』というのも希少価値が高いですな。
  そして、ブーレーズは良い。特に彼と組んだクリ管は、この世のものとは思えないほど繊細な音色を紡ぐ。もうホント、なみだちょちょぎれ(死語)のウマさ。凄い!…って言うか、まじ冷静にウマすぎ。こりゃデジタルだ。



9/2/02 ☆☆☆☆

スティーヴ・ライヒ:『ザ・ケイヴ』 
ザ・スティーヴ・ライヒ・アンサンブル(ワーナー 1995)


  厳しい残暑の中、自己浄化のために欠かせない一枚か?!とにかくこの『ケイヴ』は、ライヒのみならずミニマル音楽の集大成と言っても過言ではなかろう。僕はミニマルが好きなのかなぁ…好きかも。ふー・いず・えいぶらはむ♪



9/26/02 ☆☆☆

『大きな古時計』 
平井堅(MAXI 2002)


  僕は個人的にこの童謡が大好きで、恐らく生まれて初めて音楽で涙したのがこの『大きな古時計』である(当時小2)。まさか平井堅(巷では大阪出身とされるが、実は三重県名張市育ち)が唄ってくれるとは思わなかった。内容については、ここではとやかく言うまい。とにかく久しぶりにこの歌が聴けてよかった。20回くらい連続でリピート再生してしまった。Ticktack Ticktack♪



Yes. Tomorrow is another day...


   
   〜梅雨空の金糸雀編〜

6/26/03 ☆☆☆☆☆

プロコフィエフ:『古典交響曲』他 オルフェウス管弦楽団(ドイツ・グラモフォン 1988)

さて、今年も(?)あーかいぶすの季節がやってまいりました。今回ご紹介するのは、またまたオルフェウスによる特選盤。プロコの古典の他、ブリテンの『シンプル・シンフォニー』とビゼーの『交響曲ハ長調』(第1番)というカップリング。とにかくここで語っているのが愚かしいほど素晴らしい演奏なので、ぜひご一聴あれ♪そこにあるのは完璧な技術+研ぎ澄まされた音楽性=超近未来的洗練サウンドであります。したがって5つ。心地イィー!






7/3/03 ☆☆☆

モンテヴェルディ:『オルフェオ』 ガーディナー/イングリッシュ・バロック・ソロイスツ(アルヒーフ 1985)

このコラムでは、作品の響きと演奏の秀逸さを常に公平に扱っているつもりである。現代楽壇の論評はどうしても後者に重きを置きがちであるが故に、私は原点に戻って、我々の鼓膜と脳味噌が感知する純粋な「サウンド」としての楽曲を考えてみたいと思うからだ。こうして書いていると、いわゆる「クラシック音楽」という枠組みで、我々がどれほど大きな害を被っているかを痛感する…。「クラシック」を中心に扱っているのも実はそれに対するアンチテーゼで、その俗に言う「クラシック」の範疇のみで、如何に多彩なサウンドが繰り広げられているかをより多く周知していただきたいからなのだ。
さて、モンテヴェルディ最初のオペラにして西洋音楽史上に輝く金字塔、『オルフェオ』。雄壮なトランペットのファンファーレ(トッカータ)に続くプロローグの弦楽器によるメランコリックなテーマを耳にするとき、やはり時代や類型を超越した境地に我々はいざなわれよう…。




7/23/03 ☆☆☆☆

マーラー:『交響曲第4番』 ラトル/バーミンガム市交響楽団(東芝EMI 1998)

このコーナー初出のマーラー。サー・ラトルのマラ4なら本当はBSで放送されたBPOとの定期がまさしく神懸かり的な出来なのでそちらを推したいのだが、このバーミンガム市響との1枚も音源として大変優れているので今回紹介したい。彼のマーラー全てに言えるが、これもスコアの細部までを完璧に造形した渾身の演奏の一つと言って間違いない。まずは軽やかも神秘的な鈴の音が貴方を誘う…。






8/8/03 ☆☆☆☆

リヒャルト・シュトラウス:『楽劇「ばらの騎士」組曲』他 
プレヴィン/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(ドイツ・グラモフォン 1993)

今年の長梅雨には参りました…。しかし、そんな待ちわびた真夏の到来を告げるに相応しい、豪華絢爛なディスクをここに!超傑作ローゼンキャバリアー・スイートの他、カップリングにインテルメッツォから「四つの交響的間奏曲」、カプリッチョから「序奏と月光の音楽」、そしてサロメから「七つのヴェールの踊り」という、正しくお腹いっぱいの組み合わせ。
夏バテ解消にぜひ。








Always look on the bright side of life!



あたま

もどる

おもて